結論
- SNS運用の外注そのものに出る助成金はありません。出るのは「社員の教育訓練」に対してです
- したがって、運用を丸ごと任せて自社は何もしない形だと対象になりません。自社の担当者が学ぶ設計になっているかが分かれ目です
- 雇用保険に加入している事業主であることが前提です。個人事業で従業員がいない場合は対象外になります
以下、自社が当てはまるかを順に確認できるようにまとめます。
1. どの制度の話か
SNS運用に関連して使われることが多いのは、厚生労働省の人材開発支援助成金です。社員に職務に関連する訓練を計画的に行った事業主に対して、訓練経費と訓練中の賃金の一部が助成される制度です。
制度の詳細・最新の助成率・申請書類は、厚生労働省の公式ページで確認できます。
助成率や上限額は年度ごとに改定されます。この記事では具体的な数値を書いていません。金額の目安が必要な場合は、最新版のパンフレット、または管轄の都道府県労働局にご確認ください。
2. 自社が対象になるか:5つのチェック
① 雇用保険の適用事業主か
社員を雇用し、雇用保険に加入していることが出発点です。ここが満たせない場合、以降の条件を検討する意味がありません。
②「外注」ではなく「訓練」の形になっているか
ここが最大の分かれ目です。
SNSの投稿代行を外部に丸投げし、自社の誰も関与しない形は、教育訓練ではありません。一方で、自社の担当者が運用の考え方・分析の見方・撮影や編集の手順を学び、実際に手を動かせるようになる設計であれば、訓練としての形が整います。
つまり「任せきりにするか、社内に残すか」で扱いが変わります。
③ 訓練計画を事前に出せるか
多くの場合、訓練を始める前に計画届を提出する必要があります。走り出してから遡って申請する、という使い方はできません。スケジュールに余裕を持てるかを確認してください。
④ 対象になる訓練時間を確保できるか
コースごとに最低訓練時間が定められています。「月に数回打ち合わせをする」程度では時間要件を満たさないことがあります。
⑤ 記録を残せる体制があるか
出勤簿、訓練日誌、カリキュラム、支払いの証憑など、後から確認できる記録が求められます。ここを軽く見て後から揃わず、支給に至らないケースがあります。
3. 使えないケース(先にお伝えします)
正直に書きます。次のような場合は対象外か、対象でも通らない可能性が高くなります。
- 従業員がいない、または雇用保険に加入していない
- 運用を完全に外部へ任せ、社内に学ぶ人がいない
- すでに訓練を開始してしまっている
- 訓練の記録を残す体制が取れない
- 広告出稿費など、訓練費用ではない支出を対象にしようとしている
制度は「人を育てたこと」に対して出ます。集客そのものへの補助ではない、という点が誤解されやすいところです。
4. 申請は誰がやるのか
制度の申請は、要件の読み込みと書類の整備に相応の手間がかかります。株式会社Per-Factでは、申請の実務は提携先が担当し、当社はSNS運用と訓練内容の設計を担う形で連携しています。
窓口が分かれることで、「運用の中身」と「制度要件」の両方を、それぞれの専門で詰められる形にしています。
なお、助成金は審査を経て支給が決まるものであり、受給を保証するものではありません。要件を満たしていても、書類の不備や予算の状況によって支給されない場合があります。
5. よくある誤解
「SNS運用代行を頼めば必ず安くなる」
なりません。訓練としての設計と要件充足が前提です。
「申請すればすぐ入金される」
訓練の実施後に支給申請を行い、審査を経てからの支給になります。手元の資金が先に必要です。
「補助金と助成金は同じもの」
別物です。補助金(IT導入補助金など)は公募期間があり採択審査を伴います。助成金は要件を満たせば申請できるものが多い、という違いがあります。
6. 判断に迷ったら
自社が対象になるかは、従業員数・雇用保険の加入状況・社内で運用に関わる人がいるかの3点でおおよその見当がつきます。
株式会社Per-Factでは、SNS運用の設計とあわせて、制度が使える形にできるかの整理からご相談を承っています。「そもそも対象になるのか」の段階でも構いません。
※ 助成金の支給は審査によって決まります。受給を保証するものではありません。制度の最新の内容は厚生労働省および管轄の都道府県労働局でご確認ください。
