結論
- 採用YouTubeは応募を増やす道具ではなく、応募前の不安を減らす道具です。ここを取り違えると本数だけ増えて成果が出ません
- 効くのは「求人票では伝わらないことが多い会社」です。仕事の中身が想像しにくい、職場の雰囲気が判断材料になる、そういう業種ほど向きます
- 始める前に決めるべきは本数でも予算でもなく、誰に出てもらうかです。ここが決まらない会社は途中で止まります
1. そもそも向いているか
次のどれかに当てはまるなら、費用をかける価値があります。
- 仕事の中身が外から見えにくい:建設・製造・物流・介護など、実際の作業風景が想像しにくい
- 職場の人間関係が定着率を左右する:誰と働くかが応募の決め手になる
- 面接まで進むが辞退が多い:入社前の情報不足で不安が残っている
- 求人媒体の費用が上がり続けている:自社の資産として蓄積する形に切り替えたい
逆に、応募数そのものは足りていて、選考の精度が課題という場合は、YouTubeより選考フローの見直しが先です。
2. 始める前に決める3つ
① 誰に出てもらうか
最大の論点です。社長だけが出ている採用動画は、応募者が知りたいこととずれます。当社が支援してきた採用動画でも、最も見られ、効果が出ているのは入社2〜3年目の社員が話す動画です。応募者が自分を重ねやすいためで、これは業種を問わず共通しています。
出演を依頼する際は、断る自由を明確にしてください。強制された表情は画面に出ます。
② 何を見せるか
| 応募者が知りたいこと | 動画での見せ方 |
|---|---|
| 1日の流れ | 出社から退社まで。休憩の様子も含める |
| 誰と働くか | チームの人数、年齢層、話し方 |
| 入社後どうなるか | 教育期間、最初の3ヶ月で任される範囲 |
| 大変なところ | ここを隠さない。隠すと入社後の離職につながる |
| 職場の物理的な環境 | 作業場所、設備、清潔さ、通勤経路 |
4番目が要点です。良い面だけを並べた動画は、応募者に見抜かれます。大変な点を先に言い、それでも続けている理由を語る形が信用されます。
③ どこで見せるか
YouTubeに置くだけでは見られません。求人票・自社の採用ページ・面接の案内メールに動画リンクを差し込む導線をセットで作ってください。検索から偶然見つかるのを待つ設計にすると、本数のわりに届きません。
3. 何本必要か
本数を先に決める会社が多いのですが、順序が逆です。採用の流れの中で不安が生まれる場所に、1本ずつ置いていくと考えてください。
| 応募者の段階 | 置く動画 |
|---|---|
| 求人票を見た | 会社と仕事の全体像(3分程度) |
| 応募を迷っている | 社員が1日の流れを話す(5分程度) |
| 面接が決まった | 面接に来る場所と当日の流れ(1〜2分) |
| 内定を迷っている | 入社1年目が最初の3ヶ月を振り返る |
4本です。まずここまで作り、反応を見てから増やすほうが無駄が出ません。毎週更新する必要はありません。採用動画は流行を追う種類のコンテンツではないため、一度作れば数年使えます。
誰に出てもらうかで迷っている段階でも構いません。初回のオンラインヒアリングは無料です。→ お問い合わせ
4. 効果をどう見るか
再生数は目安にしかなりません。見るべきは次の3つです。
- 応募時に「動画を見た」と答えた人の割合:応募フォームに1項目足すだけで取れます
- 面接辞退率の変化:動画導入の前後で比べる。事前に不安が解消されていれば下がります
- 入社後3ヶ月の定着率:入社前後のギャップが減っているか。ここが最終的な目的です
再生数が少なくても、応募者全員が見ていれば十分に機能しています。不特定多数に届かせる施策ではありません。
5. 自社で作るか、外注するか
撮影のハードルは下がっていますが、採用動画には特有の難しさがあります。社員に話してもらう場面をどう作るかです。
- 自社向き:社内に撮れる人がいて、社員が普段からカメラに慣れている
- 外注向き:社員が緊張して話せない。何を聞けば良い話が出るか分からない
後者の場合、外部が担うのは撮影よりも聞き出すことです。台本を渡して読ませると硬くなるので、質問を投げて答えてもらう形が向きます。
発注全般の判断基準は別の記事にまとめています。
SNS運用代行の選び方|発注前に確認する10項目と費用の見方
なお、社員教育の一環として自社で運用できる体制を作る場合、教育訓練に対する助成金の対象になり得ます。
よくある質問
社員が出演を嫌がる場合はどうすればいいですか
強制しないでください。緊張した表情は画面に出ますし、応募者にも伝わります。出たい人がいない場合は、手元・作業風景・音声のみといった形でも成立します。
編集は凝ったほうがいいですか
採用動画では作り込みより中身です。テロップと最低限のカットで足ります。凝るほど更新が止まり、情報が古くなるほうが損失になります。
動画は何年くらい使えますか
体制や設備が大きく変わらなければ数年使えます。流行を追う種類のコンテンツではありません。ただし出演した社員が退職した場合は差し替えを検討してください。
SNS運用も一緒に考えるべきですか
採用は接触回数が効きます。判断基準は SNS運用代行の選び方 に、費用を抑える方法は 助成金の記事 にまとめています。
まとめ
- 採用YouTubeは応募前の不安を減らす道具。応募数を増やす施策ではない
- 向くのは仕事の中身が外から見えにくい会社。応募数が足りている会社は選考フローの見直しが先
- 出演者は入社2〜3年目の社員。社長だけの動画は応募者の関心とずれる
- 大変な点を隠さない。隠すと入社後の離職につながる
- まず4本。毎週更新は不要で、一度作れば数年使える
当社は採用目的の動画・SNS運用も支援しています。初回のヒアリングはオンラインで実施し、費用はいただいていません。「そもそも自社に向くのか」の段階でも構いません。
