結論
- 店舗のInstagramが止まる原因はセンスや手間ではありません。先に「成果が見えない」が来て、そこからネタ切れと担当者の離脱に連鎖します
- 自社でやるか外注するかは、「店内に被写体と撮影者がいるか」で決まります。ここが無い状態で外注しても、素材待ちで止まります
- 見るべき数字はフォロワー数ではなく、プロフィールへのアクセス数と、そこから予約・来店に進んだ数です
以下、自社と外注の分かれ目、続かなくなる原因、見る数字の順にまとめます。
1. 自社でやるか、外注するかの判断基準
先に判断の軸を出します。次の3つがそろっているなら、自社運用のほうが速く回ります。
- 被写体がある:商品・料理・施術後の空間・スタッフなど、撮れるものが日常的に発生する
- 撮る人がいる:営業中に30秒だけスマホを向けられる人が、シフトの中に必ずいる
- 方針が決まっている:誰に来てほしいかが言語化されている
ひとつでも欠けるなら、欠けている部分だけを外部に頼むのが費用対効果として妥当です。
| 欠けているもの | 頼むべき範囲 |
|---|---|
| 被写体がない | 撮影を含む契約。素材そのものを作ってもらう |
| 撮る人がいない | 月1〜2回のまとめ撮り。1日で1ヶ月分を撮る形 |
| 方針が決まっていない | 設計だけの契約。投稿は自社で続ける |
| 全部ない | 丸ごと外注。ただし店舗の中の様子が出せないぶん、伝わる情報は薄くなる |
丸投げが一番うまくいかないのは飲食・美容など「店内の空気」が来店動機になる業種です。外部の人間が月1回来て撮る写真より、スタッフが日常的に撮る動画のほうが情報量が多いことがあります。
2. 続かなくなる原因は、順番で見る
当社に相談が来る店舗の運用を見ていると、止まり方には順番があります。最初に起きるのは撮影の手間ではなく、「成果が見えない」ことです。ここから連鎖します。
① 成果が見えない(ここが起点)
数字が動いていないように見えると、投稿の優先度が下がります。優先度が下がると、忙しい日に真っ先に後回しになります。見ている指標が実態と合っていないだけという場合も多く、その見直しが先です(次章)。
② ネタが尽きる
優先度が下がると、投稿を考える時間も減ります。すると「何を出せばいいか分からない」状態になります。ネタ切れは原因ではなく、①の結果として起きます。
③ 担当スタッフが辞める・異動する
属人化していると、ここで完全に止まります。①②で熱量が落ちているところに人の入れ替わりが重なると、再開されないまま放置されます。撮影と投稿の手順を1枚にしておくだけで、復帰の難易度が大きく変わります。
④ 1投稿に完成度を求めすぎる(①を悪化させる)
作り込むほど1本あたりの負荷が上がり、頻度が落ちます。頻度が落ちると数字はさらに動かなくなり、①が加速します。7割の完成度で本数を出すほうが、店舗アカウントでは機能します。
なお「撮影の時間が取れない」という声はよく聞きますが、順番としては後から出てくる症状です。開店前の10分などに固定する工夫は有効ですが、①を放置したまま固定しても続きません。
3. 見るべき数字
Instagramのインサイトで、次の順に見ます。上から順に「来店に近い」指標です。
| 順 | 見る数字 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | プロフィールへのアクセス数 | 投稿を見て「この店を詳しく知りたい」と思った人の数 |
| 2 | リンクのタップ数・予約ボタンのタップ数 | 行動に移った人の数。ここが来店の一歩手前 |
| 3 | 保存数 | 後で行くために取っておいた数。来店意欲の代理指標 |
| 4 | リーチのうち「フォロワー以外」の割合 | 新規に届いているか。既存客だけを回っていないか |
| 5 | フォロワー数 | 結果として増える。目標には置かない |
店舗の場合、「予約時にInstagramを見たか」を口頭で聞くのが一番確実です。数字の突き合わせに勝ります。月に何件そう言われたかをメモするだけで、判断材料になります。
ここまでで「うちはどの指標を見るべきか」が判断しづらい場合は、初回のオンラインヒアリング(無料)で一緒に整理できます。→ お問い合わせ
4. 投稿の中身をどう決めるか
ネタが尽きるという相談が多いのですが、店舗の場合は次の4つを回すだけで足ります。
- 商品・メニューそのもの:寄りで撮る。作っている過程は特に見られる
- 人:誰がやっているか。顔が出せない場合は手元だけでも成立する
- 店内の様子:席の間隔、清潔感、混み具合の目安
- よく聞かれること:駐車場の有無、所要時間、予約の要否、支払い方法
4番目は軽視されがちですが、来店前の不安を減らすという意味で効きます。接客中に繰り返し聞かれている質問は、そのまま投稿のネタです。
5. 外注する場合に確認すること
店舗特有の論点だけ挙げます。発注全般の判断基準は別の記事にまとめています。
- 撮影に来るのか、素材はこちらが送るのか。ここが曖昧な契約が一番揉めます
- 素材を送る場合の頻度と締切。店側の作業が発生するので、営業時間の中に置けるか
- コメント・DMの返信を誰がするか。予約の問い合わせが来た場合の扱い
- アカウントは自店で作り、代行会社を招待する形か。契約終了時に資産が残るかどうか
SNS運用代行の選び方|発注前に確認する10項目と費用の見方
よくある質問
フォロワーが増えないのですが、続ける意味はありますか
店舗の場合、フォロワー数と来店数は必ずしも連動しません。プロフィールへのアクセス数や予約ボタンのタップ数が動いていれば機能しています。まずそちらを確認してください。
投稿は毎日必要ですか
毎日である必要はありません。頻度より止まらないことが重要です。週2回を半年続けるほうが、毎日を1ヶ月で止めるより結果につながります。
撮影機材はそろえるべきですか
最初は不要です。スマートフォンで足ります。機材を先にそろえると「ちゃんと撮らないといけない」という心理的な負荷が上がり、かえって止まる原因になります。
自社の担当者を育てたいのですが、費用を抑える方法はありますか
社員教育として設計する場合、助成金の対象になり得ます。詳細は SNS運用の外注に助成金は使えるか と 人材開発支援研修制度 にまとめています。
まとめ
- 自社か外注かは被写体・撮る人・方針の3つがそろっているかで決める。欠けた部分だけ頼めばよい
- 止まる原因は撮影が営業の外に置かれていること。開店前10分などに固定する
- 完成度より頻度。7割で本数を出す
- 見る数字はプロフィールアクセスと予約ボタンのタップ。フォロワー数は目標にしない
当社は店舗業種のSNS運用も支援しています。初回のヒアリングはオンラインで実施し、費用はいただいていません。「自社で続けられるか、外に出すべきか」の相談だけでも構いません。
