結論
- Instagramのフォロワーが 3,000 → 10,000(1年)。増やしたのは投稿の頻度ではなく、「行くかどうか迷っている期間」に接点を持てる設計です
- 宿泊施設は検討期間が長い業態です。だからこの案件では、あえてフォロワー数を主指標に置きました。店舗集客とは事情が違います
- 効いたのは季節を先取りした投稿と、予約導線を1タップに縮めたことの2点です
先にお断り:フォロワー数を指標にした理由
当社は普段、店舗のInstagram集客の記事で「フォロワー数を目標に置かない」と書いています。飲食店や美容室のように思い立ってすぐ行ける業態では、フォロワーが増えても来店に直結しないためです。
宿泊施設は事情が異なります。決めてから泊まるまでに数週間から数ヶ月かかり、その間ずっと比較検討されます。この「迷っている期間」に情報を届け続けられるかどうかが決め手になり、フォローはその手段として機能します。
指標は業態で選び直すもので、どの案件でも同じものを追うわけではありません。
相談を受けたときの状況
地方のグランピング施設です。ご相談時点のフォロワーは約3,000。予約の大半は宿泊予約サイト経由で、自社の予約ページはほとんど使われていませんでした。
Instagramには施設の写真が定期的に投稿されていましたが、「きれいな写真が並んでいるだけ」で、見た人が次に何をすればいいか分からない状態でした。
何が問題だったか
写真の質ではありません。投稿と予約の間が断絶していたことです。
宿泊施設を探している人は、写真を見て「いいな」と思ってから、料金・アクセス・持ち物・雨天時の過ごし方など、不安を1つずつ潰していきます。その情報がどこにもなく、結果として比較検討の途中で離脱していました。
やったこと(3つ)
1. 季節を1〜2ヶ月先取りした
宿泊は予約が先、体験が後です。夏の写真を夏に出しても、その人が来るのは翌年になります。
そこで投稿カレンダーを実際の季節より1〜2ヶ月前倒しにしました。桜の時期の予約は冬に、夏休みの予約は春に決まるためです。
2. 「迷いどころ」を投稿の主題にした
景観の写真だけでなく、雨が降ったらどう過ごすのか、寒い時期の設備はどうか、子ども連れでも大丈夫か、車がないとどうやって来るのかを1つずつ投稿にしました。
問い合わせで繰り返し聞かれていた質問が、そのままネタになりました。
3. 予約までを1タップに縮めた
プロフィールの導線を整理し、投稿から予約ページまでの動線を短くしました。「いいな」と思った瞬間に予約画面へ行けることが、検討期間の長い業態では効きます。
結果
| 指標 | Before | After | 期間 |
|---|---|---|---|
| Instagramフォロワー数 | 約3,000 | 約10,000 | 1年 |
数値は当該施設での実績であり、同じ施策が他施設で同じ結果になることを示すものではありません。
なぜ効いたのか
① 検討期間の長さを、弱みではなく前提として設計した
「すぐ決まらない」ことを問題視すると、押しの強い投稿に傾きます。そうではなく「長く迷う人に、迷っている間ずっと寄り添う」と定義し直したことで、投稿の役割がはっきりしました。
② 不安を潰す投稿は、保存される
景観写真は「いいね」は集まりますが、後から見返されません。一方で持ち物や雨天時の過ごし方は保存されます。保存は「行く前提で調べている人」の行動なので、予約に近い指標です。
③ 季節の先取りは、競合が手薄になる時間帯を取れる
多くの施設は「今の季節」を投稿します。2ヶ月先を出している施設は少なく、そこにいる検討層を先に押さえられます。
同じ業態の方へ:確認してほしい5点
□ 投稿カレンダーが、実際の季節より1〜2ヶ月先を向いているか □ 景観写真以外に「迷いどころ」を扱った投稿があるか □ 問い合わせで繰り返し聞かれる質問が、投稿になっているか □ 投稿から予約ページまで何タップかかるか □ 見る指標が保存数・プロフィールアクセスになっているか
自社の業態でどの指標を追うべきか判断しづらい場合は、初回のオンラインヒアリング(無料)で整理できます。→ お問い合わせ
よくある質問
フォロワーが増えれば予約も増えますか
必ずしも連動しません。この案件でフォロワーを主指標に置いたのは、宿泊が検討期間の長い業態だからです。すぐ来店できる業態では別の指標を追います。
写真はプロに頼むべきですか
最初から必須ではありません。景観は現地のスタッフがスマートフォンで撮ったもので十分に伝わります。むしろ不足しがちなのは、設備や動線を説明する写真です。
宿泊予約サイトに頼るのをやめるべきですか
この案件では止めていません。予約サイトは新規の接点として機能し続けます。SNSはその手前の比較検討期間を担当する役割です。
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