インフルエンサーマーケティングの効果は男性女性どちらに出やすいかのでしょうか?
今回の記事では男性向け商品と女性向け商商品どちらの方がインフルエンサーマーケティングに向いているのかという観点を商品の購入に結びつく性差と、こちらからお支払いする費用の違いの2軸で分析します。
男性女性。どちらの商材の方が成果に結びつきやすい?
今回はインフルエンサーマーケティングが消費者行動に対する影響要因について慶応義塾大学大学院経営管理研究科から2020年に発表された内容から引用いたします。
実証結果では男性と比べ、女性の方がインフルエンサーへの関心が遙かに強く、男性の3倍ほどありました。
都会に住んでいる人の方が全体の6割を占めるほど購入する確率が高いことがわかりました。
女性の方が男性よりライブコマースで購買活動を行いやすいことが確認されました。
実際に、ライブコマースへの支出が年間所得の10%以上を占めている回答者の中、女性が45.9%おり、男性比重の3倍を超えていることが明らかになっています。
ライブコマースへの支出が年間所得の3%以下の回答者は男性が女性の3倍いました。
ショッピングの情報源もインフルエンサーマーケティングにおいては女性が29.59%,男性が10.87%になります。
※どこからの情報で商品を購入するのかについて
女性の中でも2割半の人が好きなインフルエンサーを擁護することがライブコマースショッピングの魅力だと答えていることもわかりました。
最後にこの実験では重回帰分析を行なっており、その結果から見るとインフルエンサーへの応援意欲と理解程度が高ければライブコマースでの購買意欲とリピーター購買意欲が上がってくることがわかりました。
インフルエンサーが失敗しても購買意欲が高まることがわかっています。
品質因子と呼ばれる要素が購買意欲の促進効果をもたらすことが示唆されています。
まとめると、
- インフルエンサーへの関心は女性の方が男性より3倍ある
- 女性の方がライブコマースを使用する
- ショッピングの情報源としても女性の方が3倍ほど利用している
- インフルエンサーの魅力が女性の方が価値になりやすい
といった成果があります。
こう見ると女性の方が男性よりインフルエンサーとしての価値が高いように思われます。
しかし海外の企業、Influencer MarketingHubの研究では男性インフルエンサーと女性インフルエンサーに収入格差があると言われています。
以下はInfluencer MarketingHubの原文になります。
インフルエンサーの収益格差からどのように立ち回ることで依頼側は得するのかについても考察いたしましたのでご覧ください。
男性インフルエンサーと女性インフルエンサーの平均レートは?
インフルエンサーアナリティクスプラットフォームのHypeAuditorは、2020年初頭に公表した調査でこの問題を初めて取り上げました。
彼らは1,600人以上のインフルエンサーを対象に調査を行い、平均レートやプロモーションの形式などの情報を収集しました。
また、インフルエンサーマーケティングソフトウェアのIZEAによる2022年の別の調査でも、同様の結果が示されました。
その調査によれば、全てのソーシャルメディアプラットフォームで、男性は女性よりも30%以上も高い収入を得ており、1投稿あたり2,978ドルに対して、2,289ドルです。
このギャップは2019年以降は縮小していますが、2020年から再び拡大し、過去7年間にわたって存在しています。
インフルエンサーCRMのKlearも、2019年と2020年に独自の調査を行い、インフルエンサーの価格設定における格差を明らかにしました。
男性と女性のインフルエンサーの間には大きな報酬の差があることに驚かされました。
彼らは、2019年から2020年までの1投稿あたりの平均差額が128ドルであり、20ドルの増加があったことを発見しました。
私たちが見るところどこでも、同じ統計データが見られます。
さらに、特定の投稿やフォーマットにおいてどのような格差があるかを詳しく知るためのデータも存在します。それを見てみましょう。
Instagramの投稿
彼らは、調査対象の男性インフルエンサーが、インスタグラムのスポンサー付き投稿について、女性インフルエンサーよりも平均約7%多く収入を得ていることを発見しました。
男性インフルエンサーは、平均的なInstagram投稿に対して1,411ドルを請求し、女性は1,315ドルを請求しました。
また、10万人以上のフォロワーを持つメガインフルエンサーには9%の差があり、男性は平均2,643ドル、女性は2,420ドルでした。
Instagramのストーリーズ
Instagramストーリーズに関しては、男性インフルエンサーは女性インフルエンサーよりも34%多く稼いでいることが分かりました。
男性は平均809ドルを請求し、女性は633ドルでした。
IZEAのデータによると、Instagramストーリーズのコンテンツでは、初めて女性の方が男性よりも一貫して多く稼いでいることが分かりました。
これは、女性の高いエンゲージメント率によるものかもしれません。
ストーリーズに関しては諸説ありという答えが正しいのかもしれません。
様々なコンテンツタイプ
スポンサードコンテンツや複数のコンテンツタイプを含むプロモーションにおいて、最も大きな性別による賃金格差が見られます。
男性は女性の約50%多く稼ぎ、インスタグラムの投稿とストーリーについて、男性は平均$3,051を請求し、女性は$2,040です。
また、インスタグラムの投稿、ストーリー、ビデオについては、男性は平均$4,042を請求し、女性は$2,704です。
インフルエンサーの間で男女間の収入格差があるのはなぜ?
まず最初に、問題の根本に迫る必要があります。
それはブランディングなのでしょうか?プロモーションのレベルなのでしょうか?仕事のレベルなのでしょうか?それとも単純に性差別なのでしょうか?
Wiredの2019年の記事では、女性が「インフルエンサー」と呼ばれる一方で男性は「コンテンツクリエイター」と呼ばれる理由について探求しています。
一部の人にとっては、自己ブランディングの問題かもしれません。
男性は「デジタルクリエイター」や「ゲーマー」など、自分が所属する業界に合わせた呼称を好む傾向があります。
しかし、女性が「インフルエンサー」という言葉を避けたいとしても、彼女は依然としてそれでブランディングされる傾向があります。
そして、彼女がビデオゲームをストリーミングしている場合、彼女は「女性ゲーマー」と呼ばれることがあり、「ゲーマー」としてだけではなく性別まで強調されます。
Wiredによれば、「多くのインターネット上の男性は、自身がインフルエンサーと呼ばれることを避けるために自分の背骨を折り曲げることさえしますが、彼らの仕事はブランドを築き、スポンサーシップを受け、製品や自身をプロモーションするといったインフルエンサーの定義に合致しています。」
多くの正規の職場では、女性が選ぶ仕事の負荷が少ないものや、育児のために休暇を取ること、男性と同じように交渉しないことなどを理由に、ジェンダーペイギャップを説明しようとする人もいます。
しかし、これらはすべて性差別に根ざしています。
特にインフルエンサーの世界では、男性と女性のインフルエンサーやコンテンツクリエーターが同じレベルの仕事やプロモーションを行っている場合、これらの要素は関係ありません。
ジェンダーペイギャップや人種、地域、性別に基づく所得格差など、なぜそれが存在するのかを理解することは、それに立ち向かうための第一歩です。
そして、私たちはみな、共通の要因が性差別であることを理解する必要があります。
インフルエンサーの収入格差からどのように立ち回る?
ではこの状況からインフルエンサーにお仕事を依頼する際はどのように立ち回ればいいでしょうか?
実は上記状況はインフルエンサーマーケティングを検討している企業からすると好ましい状態だと言えます。
なぜなら、成果が出やすいインフルエンサーマーケティングを実施できる女性を比較的安く起用できるからですね。
もちろんこの状況は徐々に是正されることが考えられます。
そのため、インフルエンサーマーケティングを実施するなら早めに実施したほうがお得と言えるかもしれませんね。
しかし、実際にインフルエンサーを起用する際は下記の点に留意する必要があります。
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また、弊社でもインフルエンサーマーケティングを対応しております。
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