最近、新たな安定した顧客獲得のための手段として、多くの企業がInstagramの活用に取り組んでいます。
しかし、成功しているケースはそれほど多くはありません。
その主な理由は、「適切なInstagramの運用方法を理解していない」という点に尽きます。
現状ではInstagram運用のノウハウがあまり市場に普及していないためです。
そこで今回は普遍的なつまづくポイントをまとめました。
実際にこれまで数多くの企業のInstagramアカウントの分析改善を行い、インフルエンサーのプロデュースを行ってきたPerFactのノウハウを解説していますので参考にしてください。
アカウントの解説がまだしていない方や、アカウントは展開しているが適切な運用ができているか不安な方は「インフルエンサーの教科書」からご覧いただくことで自分の運用を顧みることができます。
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そもそもビジネスにおいてInstagram運用が重要とされる理由
まず、Instagramアカウントを運用することが売上やフォロワーを増やすことにいかに効果を発揮するのかを簡単に紹介いたします。
Instagramの現状
日本でのInstagramの月間アクティブアカウント数は3300万以上となり、国内での利用がますます増えています。
生活の一部としても根付き、Instagramでブランドを閲覧したら好意を持たれるSNS媒体にまで成長しています。
画像:Instagramで新しいターゲット層を開拓するには|Instagram Business
しかも2023年現在、広告出稿者向けにMeta社が公表したデータではユーザー数はコロナ禍を経て5600万人まで増えていると公表されました。
今の時代インフルエンサーになりやすいツールとも言えるでしょう。
企業アカウントもよく見られる
Instagramによると、何らかの企業アカウントをフォローしているInstagramユーザーは80%いると公表されています。
Instagramの企業アカウントはインフルエンサーや著名人と同じ程度閲覧されているといったデータも出ています。
ブランドからのメッセージを直接届けられるのはInstagramの大きなメリットです・
ググるよりもタグる時代、タグるよりもタブる時代に
今はSNSが消費行動のための情報収集の「メイン」媒体になっています。
Googleの検索よりInstagramが見られる時代になってきました。
ググるよりもタグる時代と言われてからまだ日は浅いですが、今やタグるよりもタブる時代と言われています。
Instagramはハッシュタグや発見タブによる「検索」や「ターゲティング」の側面が強いのでZ世代はもちろんのこと上の世代を獲得するためにもInstagramを運用する必要性は高まってきました。
これらのInstagramを「やるといい理由」と合わせて「やらないとまずい理由」についてもまとめています。
こちらの資料に記載ございますのでご覧ください。
営業資料
Instagramの運用における一般的な課題
Instagramは明確な答えこそないものの、明確な落とし穴は存在します。
今回はInstagramにおける落とし穴とそれを回避するための方法をアカウントのフォロワー数を増やすという観点でお伝えいたします。
企業アカウントに対しては上記の内容と合わせて企業アカウントならではの伸ばし方についても紹介させていただいておりますので最後までご覧ください。
フォロワーの獲得に苦戦してしまう理由とは
フォロワーの獲得に苦労してしまう理由は大きく分けて以下の4点に分かれます。
- ターゲットが明確でない
- 求めている成果から逆算したアカウントになっていない
- アルゴリズムを理解していない
- 運用した結果からデータの分析ができていない
それでは上から順番に解説します。
成果から逆算して目的の設定をする
Instagramの運用において、何よりも優先されるべきは
- なんの目的でアカウントを運用するのか
- 何を達成できたら成功とするのか
です。
なんの目的でアカウントを運用するのか
例えばインフルエンサーになりたい人ならフォロワー数を増やすことが目標になりますので海外のフォロワーを獲得することも視野に入れて運用する必要があります。
対して静岡県のカフェを運用しているアカウントだと海外のフォロワーを増やす意味はありません。
このように目的によって設定するゴールが変わり、それに伴ってアカウントが取るべき施策も異なるからです。
Instagramでの目的として「フォロワーの増加」や「ブランド認知度の拡大」、「実店舗への集客」「ブランディング」などが考えられます。
例として、「フォロワー増加」と「ブランディング」では、やることも戦略も何もかも違います。
このため、運用を開始する前に「なぜInstagramを運用したいのか?」という疑問を明確にしておくことが肝心です。
何を達成できたら成功とするのか
目的に応じてInstagramでのゴールもしっかりと定めることが大切です。
例えば、ウェブサイトへの訪問者数の増加やUGCの発生数などです。
そのために重要なのはKPIとして設計しましょう。
アルゴリズムは時とともに変化しますが、2023年の時点で「保存率」と「ホーム率」の2つが最も注目される指標となっています。
保存率を獲得するためには投稿の作り方を学ぶのが一番重要です。
インスタグラムリールのバズり方!SNSプロマーケターが伝授するバズり方6選!
他の記事より正直濃いです。Instagramフィード投稿の作り方
ホーム率を上げるためにはストーリーズが効果を発揮します。
Instagramストーリーズでバズる!最新アルゴリズムと成功への道
Instagram運用の効果の理解
Instagram運用の利点として、集客はもちろんのこと、ブランディング、UGCの生み出すバイラル効果など、多岐にわたるビジネスの効果を得ることができます。
弊社の調査ではInstagramの自社アカウントで11.6pvを獲得するごとにGoogleでは1pvが獲得できる計算になります。
アカウントの運用目的や業界によっても変わりますが、このような形で自社アカウントから直接遷移させるだけでなく、オーガニックの検索数を増やすこともできます。
Instagramについて正しく理解する
Instagramは、TwitterやFacebookとは使い方や目的が大きく異なります。
以下の特徴が、その大きな違いを示しています。
「タグる」を利用しての検索や情報収集
以前は「おしゃれな写真」を投稿や鑑賞のために使われることが多かったInstagramも、時代とともに変わっています。
今は、ユーザー独自の情報やオリジナルなデータを発見し、それをコレクションする場としての役割が強まっています。
Instagramでの情報収集は、Googleなどの検索エンジンで提供される一般的な情報とは違い、インスタグラマーが発信する独自の視点や意見、いわゆるオリジナルの情報を「タグる」ことで探すのが一般的です。
さらに、興味を引いたコンテンツはInstagramの保存機能を使って整理し、後で見返すことができます。
現に、Stacklaの研究では自社の投稿より9.8倍の購買影響力を持つと言われています。
まだピンと来ない方は、身近なInstagramを普段使いしている方にInstagramの使い方や魅力について話を聞いてみると、その特長がよくわかるかと思います。
適切に効果を理解していないと効果を発揮することはできません…
Instagramに収まらないマーケティング的な思考について
Instagramを伸ばすためにはマーケティング的な観点でアカウントを伸ばすか、センスで伸ばすかの2点になります。
センスだと再現性がないため、インフルエンサーになりたい方でもあまり取ってはいけない手法です。運に託す形になりますからね。
マーケティング的な観点でアカウントを伸ばすには以下の記事が最もおすすめです。
インフルエンサーになりたい女優・モデル必見!SNSプロモーションの成功法則とインフルエンサーになるためのステップ紹介!
「インスタで有名になるには?」成功へのステップバイステップガイド
フォローしてくれるような正しいアカウント設計をする
ここからようやくアカウントの設計に移ります
アカウント設計するにあたり、重要な要素は以下の5点
- ターゲット選定
- 特化する内容
- 継続性
- 独自性
- マネタイズ設計(前の項目で説明しているので除外します。)
ターゲット選定
「誰に」「何を」発信するのかが明確にするのがこの項目。
運用を始める段階で方針がハッキリしていないと、途中で目的やコンセプトがぶれてしまうことが多くなります。その結果、特定のユーザー層に訴求できず、ファンがつきにくいアカウントになりかねません。
具体的な施策やキャンペーンの詳細を考える前に、まずは「対象とするユーザーは誰なのか(Who)」と「何を伝えたいのか(What)」を明確に定めることが重要です。
実際にターゲットを決めるターゲット選定ではフォロワーになりうる方が抱えている悩みを具体的にすることでフォロワーが増えやすいアカウントになります。
ターゲット選定のよくあるミスは自分では具体的にしているつもりでも大雑把になってしまうことです。
例えば
- 20歳男性
- 人生を豊かにしたい
- お金稼ぎたい
こういった設定はざっくりしすぎていて、コンテンツを作るにも対象が広すぎて企画に落とすのが難しいです。
この場合、20歳男性をより分解していき、
- 20歳男性
- 大学生
- アルバイトしている
といった具合に顔が見えるまで解像度を高めましょう。
特化する内容の決定
Instagramでの成果を出すためには、適切なジャンル選択が非常に大切です。
弊社での経験からも、多くのアカウントが「最初のジャンル選び」に誤りを犯していることが、成果が上がらない大きな要因として挙げられます。
Instagramでの成功は、ただの商品やサービスの宣伝ではありません。
ターゲットとするユーザーが求めているコンテンツを提供し、まず知っていただくことやファンになってもらうことが重要です。
よくある間違いでは、飲食店だとして、自社商品だけを連続して宣伝するので一生フォロワーは増えていきませんし、Instagramの効果は半減どころではないでしょう。
そうではなく、実際にスイーツを作る過程やレシピの紹介を行うようにし、ファンを形成するべきです。
そして、ユーザーの関心を得た後に、自社商品を効果的に紹介するのがベストです。
最初の戦略を誤ってしまうと、後の運用で成果を出すことが困難になることが多いです。
そのため、ジャンル選びや戦略の見直しをこのタイミングで行うことをおすすめします。
継続できるコンセプトにする
独自の情報発信を行う場合、自分が好き、興味のある内容をテーマにすることがおすすめです。
自分自身がそのジャンルで発信を続けることができなければ伸び続けることはできません…
最低でも3年間継続発信できるか考えてみましょう。
独自性を作り出す
上で作成したターゲットや何に特化するのか。から自分のアカウントコンセプトを作り上げていきましょう。その独自性が、上で設定した機能的な差別化要素だけでなく、閲覧ユーザーの心を動かす要素になります。
そのため、他のアカウントではピックアップしていないが、ファンになってくれそうな人がそのアカウントの何を好きになってくれるかを考えていきましょう。
プロフィールを設定する
まずプロアカウントにしよう
Instagramをプロアカウントに設定しておくと、インサイトの閲覧(インスタが公式に営業している分析ツール)や公開プロフィールの拡充、広告掲載といったフォロワー獲得や売り上げアップにつながる機能が使えるようになります。
そのため、個人アカウントで活動しているのであれば、いますぐに企業アカウントに切り替えるべきです。
どんなターゲットに向けたアカウントかを明確にする
このアカウントは自分のために存在している!と思わせるプロフィール文章を作りましょう。
そのための手法は
- 〇〇な人向けと明記する
- 中の人は〇〇とターゲットと同じ属性であることを示す
- 〇〇な人に役立つと明記する
現在のユーザーは集中力が持たないとよく言われており、1~2秒で離脱されてしまうと言います。
そのため、これは自分のための情報なんだ。自分のことを言われている。自分が好きなものだと想起させられるような言葉を選びましょう。
具体例は以下の通り。
1.ブルベちゃん
ただの美容発信だけでなく、ブルベ特化で発信していることによってブルベである人に対して訴求する内容になっています。
これまでブルベ、イエベなどパーソナルカラータイプで発信しているメディアがなかったため一気にフォロワー獲得ができたと言えます。
2.うちぎちわわ
プロフィールでターゲットを明記する訴求をしている訳ではありませんが、プロフィールでこういった女性がよく使っているプロフィールにすることによって、こういったアカウントを求めているユーザーに興味を得られるようにしています。
アカウントをフォローした時のメリットは何かを明示する
フォローをしてもらうためには、フォローするメリットは何かを認識させてあげる必要があります。
つまり「利益」を得てもらうことが必要になります。
利益とは顧客が商品(この場合でいうとアカウント)から得られる恩恵やプラスの効果のことを指します。
フォローすることでどんな満足感を得られるのかといった感情面での訴求をプロフィールで行うことでフォローしてもらいやすくなります。
アカウントをフォローした時のメリットは何かを明示する
何がフォローした時のメリットになるかはペルソナ像から逆算して考えていきましょう。
下が好例になります。
1.KEI
洋服の着方や服に関するノウハウを提供しているアカウント。
総フォロワーを示すことで権威性をだし、情報の有益性をアピールしています。
「自分をもっと好きになる」というベネフィットを売り出していることで定期的にノウハウをこの人から取得しようと思わせています。
2.GU
少し特殊でGUが知られている前提で、GUのコーデを紹介することでおしゃれになれることをイメージさせています。
Instagram内のみで訴求している内容ではないのですが、GUのブランドイメージとして安く手軽に商品を手に取れることが共通認識としてあるので、安いブランドでこんなおしゃれになれるという別チャネルと顧客の認識も合わせたベネフィット訴求になっています。
3.タビネス
KEIさんと同様、何人が閲覧しているかを出すことで権威性を高めています。
ベネフィットはそのまま旅行・お出かけ先での行きたいや撮りたいが見つかること。
構図も投稿内で示しているので、旅行したくなった時、旅行時に有益なアカウントになっています。
どんな発信をしているのかが直感的にわかる要素を入れる
前述の通り、ユーザーの集中力は非常に短いので一瞬でフォローするかどうかを判断しています。
何を発信しているアカウントかが直感的にわかりにくいとフォローするメリットが理解しきれずに離脱されてしまうので、直感的にわかりやすいプロフィールにしてください。
2つの要素を箇条書きに記載するのが望ましいです。
他にも要素があるので、興味がある方はこちらからDLしてください。
アルゴリズムを理解して運用しているか
投稿が外部にリーチしているか
フォロワー数を増やすには、すでにフォローしているユーザー以外の人々に自分のアカウントを知ってもらうことが大切です。
通常、投稿はまず既存のフォロワーに見られ、次にそれを超えて他のユーザーに露出します。
そのため、最初に既存フォロワーから高い評価(いいねや保存など)を獲得することが肝心です。
もし投稿がフォロワー外のユーザーに届いていない場合、たとえプロフィールへの訪問が増えても、
新たなフォロワーが増えることは難しいので、その点を意識することが重要です。
その際重要なのは保存率とホーム率であることは前述のとおりです。
インスタグラムリールのバズり方!SNSプロマーケターが伝授するバズり方6選!
他の記事より正直濃いです。Instagramフィード投稿の作り方
中でもよく勘違いされるのは「ハッシュタグ」
Instagramでのハッシュタグの効果は、思っているほど高くありません。
これは多くの運用担当者が誤解している部分です。
実際に、弊社が運用して半年で11万フォロワーを獲得したアカウントでも、ハッシュタグ経由の流入はほとんどありません。
一部でハッシュタグが効果的だとの声も聞きますが、結論これは嘘です。
ハッシュタグの分析なんかせずにターゲットの真のニーズに合致したコンテンツの発信が最も重要です。
ユーザーの興味や動向、そしてアルゴリズムを理解し、質の高いコンテンツを提供することを常に優先しましょう。
なぜこのような結論にPerFactは至ったのか?に関してはこちらの資料をご覧いただくことで理解いただけるかと思います。
アルゴリズムの全体像について解説しています。
エンゲージメントが低い
エンゲージメントとは投稿のいいね数や保存数が少ないことを指します。
エンゲージメントが低いと投稿が外部にリーチせず、フォロワーが増えません。
そうなってしまっている場合、ストーリーの閲覧数も低いので商品の宣伝をしても購入されないと悪循環に陥ってしまっていることでしょう。
エンゲージメントを回復させるためにはまずDMのやり取りを増やすことや効果的なストーリーを運用することに尽きます。
Instagramストーリーズでバズる!最新アルゴリズムと成功への道
企業アカウントの場合はこちらも大事
これまで紹介してきた手法はインフルエンサーを目指す際にも、企業アカウントを運用する際にも使える知見です。
この章では、企業アカウント独自の裏技を紹介いたします。
実店舗と協力しUGCの獲得を目指す
実店舗を持っている方は来店してくれるお客様が投稿してくれるように促しましょう。
そもそもUGCとは消費者が生産者となる生産消費者により制作・提供される作品の総称のことです。
UGCを活用することで売り上げを増やすことが可能になり、
購買検討影響力は9.8倍に増え、コンバージョン率は1.46倍まで増えることが研究結果でわかっています。
Webサイトの再訪問率も2倍に増えます。
このように成果を生み出すことが可能ですのでUGCを生み出す努力は怠らないようにしましょう。
飲食店の場合、商品を投稿してもらえるような商品の開発をしたり、内装の変更。もちろんオペレーションの改善もしていく必要がございます。
コスメアカウントならそのブランドを使っていることがステータスになるようブランディングを行い、UGCの投稿を取り上げるなどしましょう。
人気インスタグラマーにブランドを紹介してもらう
インフルエンサーの起用も企業ならではの手法です。
インスタグラマーは数万から数百万人という多くのフォロワーに情報を発信する力を持っています。
これは、企業の認知度を高めたり、情報を速やかに拡散するのに大変効果的です。
彼らの投稿は日常の中で自然に製品やサービスを取り入れているため、広告だと感じさせず、視覚的に魅力を伝えることができます。
さらに、情報が企業ではなく、信頼性のあるインフルエンサーから発信されるため、視聴者との共感や口コミが生まれやすいのも大きな特長です。
インスタグラマーの投稿の内容や品質は高いため、それを企業のECサイトや広告などで再利用することも効果的で、広告でインフルエンサーの投稿を使用した際はCVRが上がったというデータがございます。
もちろん使用する際は必ず許可を得ることが重要です。
商品の写真撮影、店舗やイベントでの感想の投稿、新製品の監修、ライブ配信での商品販売など、インスタグラマーを活用する方法は様々。
このようなインフルエンサーマーケティングは、多くの企業が注目して取り入れている手法となっています。
まとめ
ビジネスにおいてInstagramの運用が急速に重要とされる現在、Instagramの現状を理解し、アカウントの効果的な運用方法を知ることが不可欠です。
現代は「ググるよりもタグる時代、タグるよりもタブる時代」と言われ、企業アカウントの存在感が増しています。
正しいアカウント設計のための要素として、ターゲットの選定、特化する内容の決定、継続可能なコンセプトの設定、独自性の創出が挙げられます。
また、Instagramのアルゴリズムを理解し、適切なハッシュタグの使用やエンゲージメントの向上に努めることで、投稿のリーチを増加させることができます。
特に企業アカウントの場合、実店舗との協力や人気インスタグラマーとの連携を通じて、ブランドの露出を増やす方法も効果的です。
自社でこれらの運用ができるか悩ましい方はこちらから無料相談ができます。
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